浮気調査から裁判に至るまでの経緯として、家庭を持っている女性と私の不倫が見つかった結果、相手の夫から慰謝料として損害賠償請求の訴訟を提起されることになりました。 立場としては私が被告で、離婚成立していない現在も、私と一緒に生活している彼女は訴外扱いでしたが、常に行動を共にしているのでこちら側の証人扱いでもあるという複雑な関係でした。

相手の夫は訴訟の提起以前の6か月間にわたって証拠集めをしていたらしく、私が借りているアパートに出入りする彼女と駐車場付近を、探偵とその近所の人々に見張らせていたようです。 そして探偵から聞いた情報を間違えてこちらに漏らすようなことも何度かあったので対応は可能でした。 決定的な証拠がいくつかあったと聞きましたが、裁判では原告が具体的な証拠を提出する前に和解にもっていったため、こちらは何も認めないまま、反論もしないままで和解成立です。

相手弁護士はプライバシーも倫理感も無視して、最後に決定的な証拠を出してきたのですが、それがなんと!彼女が書いた非公開のブログです。 それをプリントされたものが証拠として扱われることになりましたから。2人がいつ会って何をしたとか、細かく書かれているものです。 非公開のブログでも弁護士がプロバイダーに請求すれば開示されるようで、ネットでは情報の機密性が無いことに驚いた次第です。 確かに弁護士の職権にはそれなりの力はあるということでしょう。 個人情報保護は然るべき人物からの正当性のある開示請求にまで対抗できるわけではないということです。

弁護士の反論

その内容のすべてに対してこちらの弁護士が反論、事実関係を曖昧にして慰謝料に影響しないように進めたところで双方の主張が出揃い、裁判官が和解勧告をして終わりとなりました。 約1年に及ぶ裁判でした。移送の裁判では地裁で移送決定、即時抗告で高裁の判断は一審判決を棄却。 最高裁に持ち込まれる寸前まで進み、探偵が集めた浮気の証拠は使われることもなく闇に葬り去るのかと思えば、次に原告は嫁に対して慰謝料請求するとおっしゃっています。 その時に証拠として使うのでしょう。

浮気は不法行為であり、不法行為には原告の立証責任があります。裁判の進行の話は省くとして、浮気の場合は証拠がないと何も請求することはできません。 しかも全て印刷物か写真でなければ証拠能力がないとみなされます。 ICレコーダーの音声もデジカメの写真も、デジタルの音声や画像は客観的証拠になりうるかと言えば、難しいところかもしれません。 デジタルには加工の余地があるということで証拠能力は低いようです。

なので、裁判所で通用する証拠を集めることはわりと難しいと言えそうです。目撃証言があっても、状況証拠があっても不倫問題の裁判では全て無意味です。 それだけ原告の立証責任は大きいものだということはわかりました。結局のところ、最後は探偵の浮気調査に頼るしかないというのが現状のようです。 現実と思惑には大きなギャップが存在すると言えるでしょう。そのギャップを埋めて解決に導くのに探偵を利用するしかないのです。 相手と争う姿勢とは「このような現実を迎える」ということと言えるのです。

それにしても人妻との関係には正直、懲りました。恋愛はやはり独り者同士でやるのが一番です。 もし人妻との不倫関係を継続している人がおられたら、果たしてこの責任を取れるか?などを考え、一度、精算するか、覚悟を決めるしかないでしょう。 民事裁判における不貞の証拠はプロの探偵に依頼されることが殆どでその調査から逃れることはまず難しいでしょう。 また、普段から尾行されていないかと疑心暗鬼になっていると精神的に参ってしまいます。 自分の人生におけるリスクを十分に考える必要がありそうです。 本当にそれが大きなリスクを負うほど自分にとって大事なことなのか・・・。